女性を変えた「おひとりさま」的ライフスタイル

   

今年に入り新しいマーケティングのターゲットとして、「ソロ男」という言葉を見ました。はて?と思って調べてみると「ソロ活動系男子」の略とのこと。なるほど、そんな言葉が出てくるくらい、ひとりものが多い時代です。 2010年の国勢調査で、単独世帯は1678万世帯とすべての世帯パターンの中で最も多くなり、全体の32.4%を占めるまでになりました。   人口ピラミッド

http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2010/pdf/gurahude.pdf#page=9
出典:総務省>統計局ホームページ (12ページの上のグラフ「12  「単独世帯」が「夫婦と子供から成る世帯」を上回り,最も多い家族類型に 」)

さらに生涯未婚率が男性は20%、女性は10%を越えています。   生涯未婚率の推移

http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h25/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-00-20.html
出典:内閣府>内閣府男女共同参画局ホームページ (生涯未婚率の推移(男女別) グラフ)

もともと単独世帯の多い若年層と高齢者層だけでなく、20-50代の独身者も増えることで、“ひとり”家族市場はますます拡大しています。 世代や男女、状況がそれぞれ異なるだけに掴みにくい単身者マーケット。「シングル」「独身貴族(今時あまりいませんね…)」などと考え、思い起こしたのが、「おひとりさま」という言葉です。今、人々はこの言葉にどのような意識で接しているのか、「SeeS」のビッグデータで調べてみました。

「おひとりさま」は、生き方の概念

この表現、もともとはお店で「お一人様ですか?」と聞かれるときのごく普通の言葉でした。1999年に女性ジャーナリストにより「おひとりさま向上委員会」が設立されたことを契機に、マスコミで取り上げられブームとなったのです。 その後、2009年にはドラマ「おひとりさま」放映、2011年には「おひとりさまの老後」という本が出版されるなど、かなり表現として市民権を得ている状況です。マイニング図テキストマイニング機能で解析してみました。ライフスタイル、ブックマーク、トラックバックといったキーワードの大きさから見ると、ブログや記事が多く読まれている印象です。事実、ブログサービスに“ライフスタイル―おひとりさま”というカテゴリがあるのですね。「おひとりさま」はもはやお店の入り方といった次元ではなく、広い意味での生き方としての概念となっているのです。そして、ライフスタイルを参照する人が多いため、ブロガーの発信内容などソーシャル情報が重要視される市場といえます。

意識するアラサー、覚悟のアラフォー…世代の違い

マイニング拡大では「おひとりさま」ターゲットを詳しくみてみましょう。 Webサイトで多く使われているキーワードを順位づけする機能では、総合で「女性」が上位に来ており、共起語のレベルでも「女性」が高いので、「おひとりさま」といえば女性のイメージが確立していますね。 そして、テキストマイニング図の小さい部分ですが、面白い傾向があります。 アラ「フォー」よりアラ「サー」のボリュームがちょっと高いのに、アラ「フォー」には「人生」「負け犬」「独身」といったなかなかシリアスなキーワードが紐付いているのです。おひとりさまを漠然と意識するアラサー、おひとりさま人生を覚悟するアラフォー。世代の違いが出ています。 「おひとりさま市場」を共通項でくくるか、ターゲットの年代にによって細分化するか、提案商品によってアプローチの仕方も変わっていくということですね。 「SeeS」では、複合キーワードの解析によって、さらに詳細なターゲット分析が可能です。 他には「鬼女」など既婚女性を意識している様子も伺え、おひとりさまの微妙な女心が感じられます。(本来「おひとりさま」は、家族のいるいないではなく自立した大人、ということらしいのですが、事実上既婚女性とは対立概念になってしまっていますね。)

現実はシビアでも、気持ちはポジティブ!

共起語   共起語のリストを見ると、旅、店や旅行といった言葉のほかに、老後(これは本の題名の影響が高いですね)、介護、高齢といった単語が上がってきています。 考えてみれば1999年におひとりさまだった方々が15年の時を経てアラフィフ、アラカンになってきているのですから当然ですね。高齢になれば再び独身となる方も増えてきますから、関心も増大。「おひとりさま」は、世代ごとの違いを伴いながらも、30代からその上の全世代の女性の「個」としてのライフスタイルを大きく彩る表現なのです。 シビアな現実も見え隠れするおひとりさま的ライフスタイル。 しかし、ここで注目したいのが「SeeS」によるユーザーの印象調査です。Webサイト上のキーワードから、ユーザーの喜怒哀楽といった感情を表すキーワードをピックアップして順位づけした解析結果となります。   総合マイニング   1位から「好き」「可能」「気軽」「大切」「気楽」「大好き」「様々」「大丈夫」…何というポジティブさ! これは、「好きなことを大切にして、無理せず、臆することなく一人を生きよう」という、「おひとりさま」たちの前向きな姿勢と呼応するサイトの語りかけが評価されているということなのです。 「おひとりさま」を提唱したジャーナリストの岩下久美子さんはすでに亡くなっているそうです。でも、「おひとりさま」は流行語を超えて一般化し、時と場合によって勝手な使われ方をされるにしても、その真意はWebの中で今も失われていません。 「おひとりさま」というひらがな表現の奥には柔らかなポジティブさがあります。「個」として自立し、自分ひとりの時間を楽しもうという最初の思いは、言葉に集約され、女性達の心と共鳴し、今も生き方に影響を与えているのです。 死語となった「ハイミス」などにこのポジティブさは皆無だったことを思うと、言葉の持つパワーを感じます。

まとめ「おひとりさま」市場に見る3つのポイント

  1. 「おひとりさま」は生き方の姿勢。お互いのライフスタイルを参考にしている傾向
  2. 「おひとりさま」市場は、30代から上の女性がターゲット。細かく見ると30代と40代ではニーズが違い、また50-60代も情報を求めている。
  3. シビアな現実も受け入れつつ、ポジティブに生きる姿勢が「おひとりさま」の共通像

ひとつのキーワードが、時代と呼応し、ターゲットの生き方に影響していく…言葉と現実の関係って本当に興味深いですね。 さて、「ソロ男」は市場に定着するでしょうか。20代から50代の独身男性、筆者が知る限りでも千差万別で、攻略にはいろいろ知恵が要りそうです。「SeeS」は独自のビッグデータ解析で、マーケティング戦略をお手伝いいたします!

他にもこんな記事が読まれています

 - トレンドウォッチ ,