商品を生まれ変わらせるカテゴリーブランディング

   

カテゴリーブランディング現状の自社商品、店頭やWebサイトを、ブラッシュアップするにはどうしたらよいのでしょうか。
ゼロからマーケティング戦略や商品企画を組めるケースと違い、既に販売している雑多な商品群の提案方法を手直ししたい場合などは、何をすればいいのか迷うところですよね。
そんな時に有効なのが「カテゴリーブランディング」です。
「カテゴリーブランディング」とは、既存の商品を見せ方・打ち出し方を変えるだけで生まれ変わらせるプロモーション手法です。
今回は既存の商品群を再構成・再提案する「カテゴリーブランディング」について、実践方法と手順を解説してみたいと思います。

カテゴリーブランディングを実践する5つのステップ

例としてA雑貨店が実店舗とWeb両方でカテゴリーブランディングを行う手順を解説します。

カテゴライズできるテーマのアイディアを考える

テーマのアイディアを考える現状のプロダクトアウト型のカテゴライズを、ソート(並べ替え)で魅力的に見せられるようなテーマを考えましょう。この時、ユーザー目線の購入ポイントを意識することが大切です。「機能」「用途」「使用シーン」などさまざまな方面から切り口が考えられます。

A雑貨店は、もともとファミリー層からティーンまで幅広いお客様に対応していました。
スタッフでカテゴリーブランド立ち上げのためのブレーンストーミングを持ったところ、店の売りにしていきたいポイントとして「独身が使いやすい商品」「便利グッズ」「かわいいグッズ」「女性向け」といったキーワードが上がってきました。
なおこの時点で、ターゲットが漠然としている場合は、ターゲットの再設定をするプロセスも合わせて行いたいです。

テーマを決定し、ブランディング(ブランド化)する

上がってきたキーワードを元に、コンセプトを固めて、ブランドを考えます。
ブランドとはもともと、自分の牧場の牛に、他の牛と区別するためつける「焼き印」のことでした。他の店舗と区別できる表現方法を考えましょう。
ネーミング・ロゴ・キャッチコピーなどで表現されるテーマを決定していきます。自社独自の切り口や表現、ビジュアルイメージを考えていくと、他にはない強みが生まれていきますね。

A雑貨店では、スタッフのアイディアを元に、ターゲットやコンセプトをまとめ、一人暮らしの女性に向けた便利グッズやかわいいグッズの総括ブランド=「ひとりぐらしの友。」というカテゴリーブランドを作ってみました。
※ネーミングの候補が上がった時点で、検索し他社の商標名や店名などとかぶっていないか確かめましょう。(筆者の関わった例では、カテゴリーブランドを商標登録しました。)

商品をグルーピングする

決定したブランドにマッチする商品群を改めてグループ化します。
仕入れ商品の場合、個々の商品のブランド名や見え方などを変えることは難しいですよね。ただユーザー視点からみた項目で商品を並べ替えたり再グループ化することで、サブカテゴリーによる統一感を持たせることができます。

今までのプロダクト視点のカテゴライズから、一人暮らしの女性が求める機能という視点で「清潔」「リラックス」といったサブカテゴリーを作り、該当商品をグルーピングしていきました。
また、これまでペアや5客セットで販売していた食器を、1客でも購入できるようにしたり、バラバラで売っていた歯ブラシとコップ、タオルを合わせて「歯みがきセット」を組んでみたりと、一人暮らしに最適化した企画商品を考え出しました。

コミュニケーションツールのトーン&マナーをそろえる

コミュニケーションツールを、ユーザーに支持されるように徹底していくことはブランディングの重要なポイントです。端的に言えば、デザインや文章の統一感が有効です。
A雑貨店では、機能性に着目したサブカテゴリーの表現を、ターゲットに合わせて見直した上、「ひとりぐらしの友。」と一緒に使っていけるようなアイコンデザインを考えてみました。

各サブカテゴリーのアイコンこの時のポイントは、サブカテゴリーの特徴は差別化できるようにしながら、統一感を持たせることです。矛盾を形にする工夫が必要ですね。
(例では、フォントやデザインは各特徴のイメージに合わせ、フレームでは共通化するという手法を取ってみました。)

店舗で使用するラベル、シール、POP、またWebデザイン等、各種コミュニケーションツールを共通のトーン&マナーで作り込んでいくと、視覚的にアプローチしやすいですね。

Webでの商品説明も、カテゴリーブランドに紐づけて、統一感のある文章を追加してみましょう。
A雑貨店では、実際に一人暮らしをしているスタッフBさんのレコメンドコメントを入れていくことで、使用シーンを具体的に提案することにしました。
心に響く語り口を研究してみましょう。

ブランドコンセプトを伝える「見せ場」を作る

ブランディングの集大成が伝わるように、店頭ならディスプレイ、Webなら特集ページで今回のカテゴリーブランドのコンセプトや代表的な商品を伝える「見せ場」を作ります。実店舗とWebを連動させることで相乗効果を狙っていきましょう。

A雑貨店は、「ひとりぐらしの友。」ブランドが伝わるような商品写真を新たに撮影し、コミュニケーションツールと共にブランドイメージの認知度を高めていきました。
さらに応用として、「ひとりぐらしの友。新生活応援セット」「ひとりぐらしの友。きちんとごはんセット」など、ひとまとめに購入できるセット商品を開発しました。「見せ場」をそのまま購入できるのですから、コンセプトを理解したユーザーにとって買いやすい商品提案となります。

カテゴリーブランドを冠として、サブカテゴリーで商品をグルーピング、視覚的に統一感を持たせ、さらに「見せ場」と「セット商品」「各商品」の組み立てや導線をきちんと設計する…このようなステップから、全体に企画提案力がありガバナンスの効いた店舗、サイトだという印象が持たれていきます。長期的な信頼感、ファンの獲得に繋げていけるのです。

まとめ

  1. カテゴリーブランディングで既存の店頭やサイトをブラッシュアップしよう
  2. ユーザー視点のカテゴリー、サブカテゴリーを考えてみよう
  3. 商品に変更を加えずに企画提案力でリニューアルしてみよう

新商品を開発しなくても、見せ方・まとめ方の工夫でリニューアル型のプロモーションが可能になります。
ユーザーの視点に立って既存商品やサイトを生まれ変わらせる「カテゴリーブランディング」で、現状改善にチャレンジしていきましょう。

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