データマーケティングとは?基本的な定義と、実践のポイントを解説!
最近、お客様より「データマーケティング」に関して聞かれるのですが、データマーケティングって定義がけっこうあいまいですよね。
今回は、SeeSを使った調査データを元に、データマーケティングについての基本的な考え方を整理してみたいと思います。
データマーケティングで注目される求人分野
SeeSでWeb上の主な話題を調べてみました。キーワードは「データマーケティング」、データ元は300件のWebデータとなります。
まず、Web上でデータマーケティングを扱っているサイトの分類を見てみましょう。
1位は「ニュース」で、時事的に話題のキーワードです。10億件の顧客データを生かす外食ビジネスのニュースなどが挙がっています。
そして2位が「求人」なんですね。
実際の求人情報に当たると「データアナリスト」「データサイエンティスト」など、さまざまな表現をされているのですが、要するにデータを活用したマーケティングをしたい、そのための人材が欲しい企業が多いということがわかります。
ちなみに少し前に公開したデジタルマーケティングの記事を参照すると、デジタルマーケティングは「求人」分類の割合がこの1年で減っています。
デジタルマーケティングは、「デジタルメディアを活用したマーケティング(プロモーション)の手法」という意味合いで使われていることが多い用語です。デジタルマーケティングはどんどん人がいらない世界になっていくという傾向の現れかもしれません。
一方、データマーケティング、特にデータの読み解きや活用には現状まだまだ人間が必要とされているようです。
先ほどからさらっと使っていますが、活用という言葉がとても重要です。
データマーケティングにおいて、Webサイト数での出現順位は「活用」が1位で、62.7%のサイトが使用しています。データマーケティングと活用は深く紐づいているとわかりますね。2位は「分析」です。
「ビッグ」と「ドリブン」はどこへ行ったのか
「データマーケティング」というキーワードで注目されている話題を見るため、テキストマイニング(*1)という方法で重要なトピックを抽出してみました。
SeeSでは特定のキーワードで検索した際に表示される全てのWebページの文章情報から、関連度の高さに応じて相関図を表示します。 これにより膨大な文章情報(ビッグデータ)から概要を把握する事や、マーケティングに必要なデータの抽出にご活用いただけます。
話題としてビッグデータ関連、デジタルマーケティングやデータマネジメント、データドリブンなどが大きく出現しています。
ビッグデータの定義についてはこちらの記事をご参照ください。
参照 今さら聞けない、「ビッグデータ」って何?ビッグデータの定義をカンタン解説!
考えてみれば「ビッグデータマーケティング」「データドリブンマーケティング」という言い方もありますよね。
【ビッグデータマーケティング】
【データドリブンマーケティング】
(ドリブン(driven)とは「~に動かされ」という意味。)
じゃあ、データマーケティングと言う時、「ビッグ」と「ドリブン」はどこへ行っちゃったんでしょうか?
使う人の心理を考えてみましょう。
データマーケティング、その心は…
- ビッグデータって言えるほどのデータではないけど、データを活用したい
- ドリブンって言うほどうまく回す自信はないけれど、データを活用したい
- どうもデータドリブンマーケティングでは長いし意味が通じない
こんなところでしょうか。
言葉は生き物。ビジネスの現場で、より広いざっくりした概念として使いやすいデータマーケティングが使われているんですね。
あらためて定義しておきましょう。
【データマーケティング】
データマーケティングの目的とは?
重要なトピックでもうひとつ注目したいキーワードはカスタマーです。
カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)や、カスタマージャーニー(顧客の購買プロセス)などが出現しています。
データマーケティングにおいては、カスタマーの行動、購買に至るプロセスの分析がひとつの重要な目的だと考えられているんですね。この分析から、より最適なプロモーションができるだろうという目論見です。
データを活用してできることはもっと幅広いかと思いますが、現在データマーケティングといえば顧客情報の分析を重視している、という市場特性は押さえておきましょう。
関連語ではDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)なども出現しています。
かっこいい言葉より、地に足のついた実践だ!3つのポイントとは?
日本ではもともと、富山の薬売りなどが、顧客台帳を管理してお客様に対応するビジネスをしていました。CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)やデータマーケティングの発想はすでにあったのです。(販売の仕方も、必要な時使った分だけ代金をいただく、今でいうクラウドの発想ですよね)。
そう考えると、データマーケティングとは決して新しい概念ではありません。
IT技術の進展でデータを収集・分析できるようになったわけですが、データは活用しなければ意味がないです。むしろ現代の技術では、データを膨大に取得・保管できることに振り回され、「データあれども打つ手なし」といった状況にもなりがちです。
データマーケティングに取り組むにはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
3つのポイントをまとめてみました。
目的意識:目的に対してデータを読み解き、戦略を立てる
目的によって、同じデータを使っても読み解きポイントが変わります。さらに、その結果から戦略を立てるには、業界や商品知識なども重要になってきます。データ分析ノウハウ以上に、目的に対して何ができるのかという視点が重要です。
(※今回のデータマーケティングの調査データも、記事という目的のため、ごく一部を抜粋してご紹介しています。目的によってはさまざまな読み解きが可能ですので、気になる方はお気軽にSeeS編集部まで!)
見極め:必要なデータなのか見極める
データは捨てることも重要だし、捨てるようなデータの中に宝があることもあります。
また、今あるデータ、自社顧客データだけで課題解決できるのか、データの種類・質への感度も高める必要があります。
データ活用の考え方については、以下の記事もおすすめです。
参照 データ活用を【3C分析】から考える
参照 マーケティングとデータ活用~定量調査と定性調査の違いを解説!
行動:PDCAサイクルを意識してスピーディーに行動する
マーケットは常に動的に変化しています。
じっくり分析したり詳細な資料を作成するより、素早くデータを読み解いてすぐ次の行動に取り組んだほうがいい場合もあります。
大事なのは「データ」ではなく「マーケティング」の部分なのです。
まとめ
- データマーケティングとはビッグデータマーケティングやデータドリブンマーケティングをざっくりさせた概念
- 現状はカスタマーの行動や購買プロセス分析に興味が集まっている
- データは活用しなければ意味がない。目的意識・見極め・行動が大切
今回はデータマーケティングについてまとめてみました。
データマーケティングができる人材が求められている現状がわかりましたが、一方で今は人工知能(AI)も進展しつつあり、MA(マーケティングオートメーション)時代も目前です。
データマーケティングの分野も「いや~キカイがデータ収集・分析から施策まで提案してくれるのでもうデータサイエンティストなんていらないよ」時代がすぐに来るかもしれません。
技術の進展はとても興味深いですが、一方で「人間の仕事」の意味を再考する時代も来ているのかもしれませんね。
そのあたりを思索したい方には、この記事もおすすめです。
参照 キーワードがAI任せになるとどうなる? 重要な局面で失敗しないために、心のセキュリティを強化しよう