ネットスーパーへのユーザーニーズをWEBマイニングで調べてみました

   

ネットスーパー先日、筆者が登録していたネットスーパーから、サービス終了のお知らせメールが来ました。2009年にスタートしたビジネスが、5年間で終了してしまったのです。
振り返ってみると、サービススタート時に1、2回購入したきりその後まったく利用していません。まさに幽霊会員でした。
企業側からすると、いくら会員を集めても、筆者のような登録者ばかりでその後の売上につながらなければ、幽霊と商売をしているのと同じになってしまいますよね。ネットビジネスの難しさのひとつです。 もともと、電子商取引の利用率において、食品分野は出遅れていました。 総務省「電子商取引の利用率」

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc1221c0.html
出典:総務省ホームページ 『平成23年通信利用動向調査』

そこへ、インターネットと実店舗を密接に連携させることで利用者を増やそう!と台頭してきたのが「食」分野を中心とするネットスーパーです。総務省「O2Oに係る利活用の先進事例に関する調査研究」

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc1221c0.html
出典:総務省ホームページ 『イトーヨーカドーネットスーパー実績』

2000年代前半にスタートしたネットスーパービジネスは、一度は伸び悩みましたが、近年のITインフラの普及に加え、働く女性の増加などを背景に、ここ数年で大きく発展してきました。ただ今回の大手スーパーサービス終了は、ビジネスとしての明暗が現れ、ひとつの曲がり角を迎えた事象とも言えそうです。

そもそも、ネットスーパーの定義自体、何だか曖昧です。ユーザーにとっては大手スーパーあり、お取り寄せあり、楽天などの通販サイトあり…今やネットで「食」を手に入れるルートも広がって来ています。
ネットスーパーという市場のくくりは、消費者にはどのように受け止められているのでしょうか?今回は、ネットスーパー市場に対してのユーザーの意識を探ってみたいと思います。

ネットスーパー市場で消費者が注目しているのは、○○系!

2014年9月、弊社の検索エンジンシミュレートシステムSeeSを使用し、まずは「ネットスーパー」でキーワード解析してみました。
ネットスーパーのマイニングデータ「ネットスーパー」で検索される方は、個別企業のサイトやランキングサイトにアクセスするケースが多いため、テキストマイニングでも大手スーパー名が上がってきていますね。
イトーヨーカドーや西友、イオンなど「大手スーパー系」の名前が大きく出現しています。
ところが、「ネットスーパー 評判」という複合キーワードでキーワード解析してみますと、意外な結果となります。
ユーザーの評判のマイニングデータ上記にあげた「大手スーパー系」の名前はほとんどあがってこなかったのです(調査時期の関係で、サービス終了の企業だけは大きな話題となっていますが…)。
はっきりわかるのは「らでぃっしゅぼーや」「パルシステム」次いで「oisix」…いわゆる「食材宅配系」サービスです。食材宅配系を検討している人、すでに会員として使っているが他のユーザーの口コミ、評判ランキングを知りたいといったニーズが高そうです。また、コンビニ系の「ローソン」による食材宅配も話題に上がっています。

ちなみに共起語や実際の上位サイトでは、大手スーパー系の名前もそれなりに出てきます。なのでこの結果は、サイトの数などより、検索エンジンから見た(=ユーザーが知りたい)大手スーパー系の評判、話題としての弱さが出ているのだと思います。

ユーザー目線では、「大手スーパー系」と「食材宅配系」の企業が同じネットスーパーの領域で見られていることと、現在WEB上でネットスーパーの評判を調べた場合は「食材宅配系」の勢力が大きい、という点がわかってきました。
この食材宅配系の勢いには、らでぃっしゅぼーや(2012年にNTTドコモが買収)など、通信系企業を背景に持った宅配ビジネスの強みも影響していそうです。
また、楽天などの総合的な通販サイト名はあまり上がってきませんので、総合系のサイトは(「食」分野を扱っていても)ネットスーパーと同じフィールドでは話題にされていないということもわかります。

ネットスーパーの購入で重要なアイテムと話題とは?

野菜が人気ではネットスーパーでユーザーが最も気になっているものは何でしょう?
テキストマイニングや、共起語の一覧表からもわかりますが、アイテムとしては「野菜・果物」が重要です。
食の安全が再認識されるようになった現在、有機野菜や低農薬野菜かどうか、産地はどこか、といった情報が購入のポイントとなりやすい「野菜・果物」が注目されているんですね。
もう一つ目立ったのは、試し→サンプル、初回→限定など、トライアル購入やクレジット、会費についての話題です。
ネットスーパーで大切なポイントこれは調査の時期的に、「お試しキャンペーン」などの効果が出ていることも影響していそうですね。一方でロジスティクス関連の話題、配送の迅速性などについてはあまり言葉が出ていません。
評判を調べたいユーザーの中では、お届けの速さより、「ネットスーパーを生活の中に最初に導入するためのハウツー」が話題となっている傾向があるようです。

まとめ

  1. 産地や生産方法にこだわった食材宅配系の話題が多い
  2. キーアイテムは「野菜・果物」
  3. 迅速性より「品質」や「サービス導入のしやすさ」が大切

大手スーパーのネットサービス参入時には、配達日程に制約のある食材宅配系より、いつでも買える大手スーパーのサービスの方が便利だという論調も見られました。もちろん、それで売上をうまく伸ばされている企業もあると思います。ただ自分自身の経験も踏まえて考えますと、「いつでも買える」は「だからいつも買わない」ということにもなりがちです。
SeeSの解析でもわかったように、「サービス導入・購入のしやすさ」の仕組み作りや継続的な提案が購入のひとつの鍵となりそうです。
幽霊会員を作らないため集客の「その後」をどうするか、WEBマーケティング、リアル店舗との連携など、総合的なマーケティング戦略が大切ですね。

今回は総論を調べましたが、SeeSでは、他の複合キーワードや個別アイテムなど深堀りしたキーワード解析、競合解析などさまざまな分析が可能です。SeeSは「検索エンジンの目」という、他にはない視点でマーケットを解析し、WEBを中心としたマーケティング戦略をサポートします。

他にもこんな記事が読まれています

 - トレンドウォッチ