ネット社会の集団心理 2:「同調圧力」とは?

   

同調圧力アイキャッチ

「今何が流行しているのか」を追いかける気持ちのどこかに、「空気読んどこう」「周りに話題合わせないと…」といった暗黙のプレッシャーを感じていることってありませんか?
前回、ネット社会の集団心理 1:「バンドワゴン効果」とは?では、勝ち馬に乗りたい、おいしい思いをしたいという人の心理が起こす「バンドワゴン効果」やその他の心理について紐解いてみました。
今回は集団心理(群集心理)のひとつ、「同調圧力」について学んでみましょう。

日本人は特に弱い?「同調圧力」とは

同調圧力(Peer pressure)」は、特定の集団(Peer group)において、多数意見が暗黙のうちに少数意見を従わせるよう強制するような圧力を指します。
人々の意見がある方向にのみ傾くことを「同調現象」と言いますが、同調現象が起きると、異論が歓迎されなくなっていきます。同調現象の中で、意識的な場合も、無意識の場合もありますが、「空気読め」といった無言の圧力が生まれてくる=同調圧力なんですね。

日本人は特にこの同調圧力に弱いという声があります。
同調圧力は世界各国で起こっている現象ですが、日本は島国の単一民族で農耕民族、「村八分」や「非国民」といった強烈なキーワードが生まれる土壌を持つ国ですので、特に周りの視線を意識してしまう国民性があるのかもしれません。

少し前に米国出身の芸人・厚切りジェイソンさんが、日本人は幼稚園から会社まで「周りに合わせろ」と言われ、自分で考える機会がないとツイートして話題になっていましたよね。
キョロ充」(人の目を気にしながらリア充と行動する)なんて表現も、同調圧力に弱い人の様子です。

同調圧力は、リアルな友達関係、職場やママ友グループといった集団だけでなく、SNSでのコミュニケーションやネットの掲示板でも意識されています。
ランキング上位の話題を追いかけるのも、とりあえず共通の話題として知っておかないと、世間のおおよその論調を押さえて、合わせられるようにしておかないと…という見えない同調圧力が影響しているかもしれないんですね。

ランキング上位=データ的に多数派の意見とはっきり提示されていますから、多数派に乗った意見を言っていこう…と、さらに発言を重ねていく人も出現します。

ネット上では、各人の集団属性がはっきりしないので、むしろ同質の見解を述べることで仲間意識が生まれ、同調圧力を形成していく側面もありそうです。

驚異的なスピードで話題が情報拡散されるネット社会の背景として、このような集団心理を知っておくと役に立ちます。

同調圧力って、いつごろから使われだしたの?

ところで「同調圧力」という表現は、学術的には使われていたようですが、一般的によく使われだしたのは最近…と聞いたら、意外に思いませんか?

過去のWebデータをちょっと調べてみました。
2000年代に入り、主に教育の現場で子供たちのいじめ問題が論じられる際などに「同調圧力」が使われだしたようです。
2007年にはKY(空気が読めない)という言葉が流行しました。KYな人を指摘するのは、良く言えば協調性や仲間意識の現れですが、ネガティブに言えば同調圧力ですよね。

さらに「同調圧力」が広く認知されるようになったのは、2011年。東北大震災、福島原発事故と未曽有の天災・事故が起きた年ですが、さまざまな出来事に対する人々の態度や行動を解説・論評する際に使われました。
Googleトレンドで見ても、同調圧力が検索されはじめたのは2011年からです。

同調圧力 GoogleトレンドW700

改めて調べたら、本当に最近の言葉なんだなって驚きますよね!

今は、LINE依存、カップル共同アカウントなどネット社会特有の現象に対しても同調圧力というキーワードが使われています。

このように言葉の出現の様子を調べてみると、むしろ現代人の方が同調圧力という概念に敏感で、心を縛られているのかもしれませんね。

まとめ

  1. 多数派の「空気読め」という見えないプレッシャーが「同調圧力」
  2. リアルな集団だけでなく、ネットの繋がりの中にも存在する
  3. 意外と最近広まった言葉だった

「センテンススプリング」の緊急調査から始まって、ネット社会の問題をまとめ、集団心理(群集心理)のキーワードを考えてきました。
何となく祭りで盛り上がる、何となく恐ろしい、そんなネット社会に翻弄されるのではなく、人の心理や、それによって起こりやすい現象を客観的に把握できると、自らの活路を見出すヒントになります。ビジネスやネットとの付き合い方に役立ててくださいね。

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