ポジショニングマップの作り方と実践のポイント

   

ポジションマップの作り方とある企業のお家騒動が話題になっていますね。
ニュースには「経営をめぐって父の高級路線と娘のカジュアル路線が対立!」などと書かれています。このように複数の意見がある場合などは、状況を皆で共有するための「地図」があると便利です。
対立概念をうまく使って状況を把握するツールが「ポジショニングマップ」です。
今回はポジショニングマップの作り方について、実践的なポイントを考えてみましょう。

ポジショニングマップとは?

ポジショニングマップとは?作り方を説明する上で概念を理解しておきましょう。
ポジショニングマップは、自社と競合他社を比較したり、ターゲットをタイプ別に分類したり、商品開発の狙いを明確化したり…と、さまざまなビジネスの局面で活用できます。
ざっくりした状況把握・共有化・議論のためのツールですので、数学のグラフのように厳密に考える必要はありません。


対立概念と思われるキーワードの組み合わせを2通り選び、十字に配置します。

要素
軸で作った空間に、比較したい要素=名称やクラスタ(集団)名をマッピングしていきます。
要素は、マップに置けるもの・概念なら何でも配置できます。「企業」「ブランド」「商品」など、すでに認識されている対象の場合もありますし、「○○系女子」など、未知の要素を新たに命名してマッピングする場合もあります。

多くの人にわかりやすい「定量と定性」の軸

さて、ポジショニングマップの「軸」を考えるのは、意外に難しいものです。
実際に冒頭の事例を元にポジショニングマップを作り考えてみましょう。「高級─カジュアル」でも軸を作れなくはないのですが、「高級」は品質や価格帯寄りの言葉ですし、「カジュアル」はデザインなどのテイストを示す言葉なので、対立概念とするには少し違和感がありますね。ポジショニングマップ作成の場合は別々に扱った方がよいかもしれません。

そして経営戦略のために企業の位置付けを見るといった目的の場合、軸は「定量と定性」で考えると便利です。金額、店舗数、ターゲットの年代など、数字でとらえられる定量的な軸が一つあると、実務に携わっていないメンバーにも状況がわかりやすいですよね。
今回は、「高級」を意訳して「高価格帯」ととらえ、定量を意識した縦軸にしてみましょう。

一方の「カジュアル」は、数字では語ることのできない定性的な言葉です。対立概念は何でしょう?フォーマル、シック、エレガンス…さまざまな表現が考えられます。
定性軸で使う言葉には、正解はなく、説明したい分野・業界によっても変わってきます。作成者の狙いが表現しやすく、市場にもマッチした言葉を選んでいきます。

縦軸を定量、横軸を定性、として、要素(企業名)を空間上に配置(マッピング)してみました。

家具メーカーのポジショニングマップ例要素の選び方や配置方法に正解はありません。作成者の作り方によって共通のアイテムで比較したり、Webサイトの印象を元にしたりとさまざまな基準ポイントが考えられます。図の表現も多様な方法が可能です。

複雑な感性の視覚化に便利な「定性・定性」の軸

同じポジショニングマップでも作り方によっては全く異なる分析にも使えます。
ブランド戦略や、食品の味・化粧品のクオリティの違いなど、より複雑な内容を分析したい場合には、「定性と定性」の軸が効果的です。
ファッションブランドのポジショニングでよく使われる感覚的な概念の軸の例です。

ファッション分野でのポジショニングマップ例こうなるとだいぶ専門的、業界用という感じがしますね。
味覚・嗜好が重視されるビールや日本酒のような飲食分野、アニメのキャラクターの性格づけといったクリエイティブな分野でも、ポジショニングマップは活用できます。
「定量と定性」以上に「定性と定性」の軸は、微妙な差異、繊細な感性を表現するマップとなり、作成者の開発・戦略的な狙いと密接な関わりが出てくるのです。

ちなみに、「定量と定量」の軸でももちろんポジショニングマップは作れます。ただ両軸とも数値で表せるなら、素直にグラフ化した方が良い場合もありますよね。
数字で説明しにくい感覚の部分を視覚化できるのがポジショニングマップのメリットである点を押さえておきましょう。

まとめ

  1. 「2つの軸」と「要素」があればポジショニングマップは作れる
  2. 定量と定性の軸は「数値」視点を入れることでわかりやすくなる
  3. 定性と定性の軸は複雑な感性の説明に効果的

ポジショニングマップは作り方次第で既存の状況把握だけでなく、新ブランドの提案や消費者の変化といった「未知の感覚・未知のジャンル」を説明する時にも役立ちますし、さまざまな応用のきく便利な表現方法です。
社内で意見が割れた時の議論のたたき台にも有効ですよね。ぜひ活用してみてください。

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