商品企画・プロセスで他社と差別化するために必要な事

   

商品企画・プロセスで他社と差別化するために必要な事とは企画立案は面白いけれど大変な仕事です。筆者も商品企画や開発の仕事に携わっていましたが、一発ヒットがあればよいというわけではなく次から次へと何かしらのアイディアを求められますし、多くの部署や社外との調整が必要で、目まぐるしい日々を送っておりました。
商品企画は、「商品」がモノでもサービスでもコンテンツでもアプリでも、考え方のポイントに共通する部分があります。

今回は、さまざまな「企画」を立案する仕事に関わっている方に、商品企画のプロセスについて復習しながら、どうすれば今の時代に差別化できる商品企画が打ち出せるのかについて考えてみましょう。

商品企画の標準的な流れ・プロセス

商品企画の手法や開発サイクルは、業界や企業によっても異なります。標準的な流れを押さえておきましょう。

標準的な商品企画の流れプロセスごとに部門が分かれている場合もありますが、多くの商品企画担当者は、マーケティングリサーチから発売・サービス公開後の販売戦略まで全てに関わるケースが多いかと思います。
前述したように、このプロセスはモノ作りに限りません。例えば商品を「ブログ記事」と考えても、商品化を「記事作成」、販売以降を「記事公開後の情報拡散」などと応用すれば同じですね。

商品企画といえば「企画立案」の部分が注目されますが、商品化・実現化のステップにも工数がかかり、さまざまな難題を抱えることも多いものです。商品化の時点で再度内容を検討し、リサーチや試作品のテストをかけるケースもあります。
商品企画を考える上では、以前ご紹介した4P分析、4C分析の考え方が役立ちます。
参照 売れる仕組み作りは4P分析と4C分析から

差別化した商品企画を立案する3つのポイント

他社と差別化できる商品企画はどのように立てていけばよいのでしょうか?
今の時代に商品企画を立案する上で、意識すると役立つ3つのポイントをあげてみましょう。

マーケットを「顧客視点」で見る

マーケットを顧客目線で見る当たり前のようですが、商品企画担当者は、つい作り手側の視線、業界の常識や既存の市場カテゴリーに縛られてしまうことがあります。マーケットを見てはいるのですが、固定的な方向、区切りでしか見ていないのです。思わぬ市場動向やチャンスの兆しを見落とすこともあります。

特にITの発展で、ユーザーからの市場の見え方はわずかな間に大きく変化しているケースがあります。
最近弊社が調査をした事例でも、ある市場において、Web上では新規参入企業が大きな存在感を示しており、トレンドリーダーのポジションを持っていかれている状況が見えてきました。

逆に言えば、顧客の視点で市場を見直すことで、今まで気づかなかったターゲットニーズやニッチ市場、競合を発見できることもあります。ユーザーの見ている市場環境を知ることは、差別化した企画を立てる指針のひとつになりますね。

ニーズの「半歩先・半歩横」にあるフックを考える

ニーズの「半歩先・半歩横」にあるフックを考える商品企画には「ニーズ探索」が重要だと言われます。
その一方で、モノやサービスがあふれた現代にそんなに強いニーズはないとか、ニーズの後追いではヒット企画は生まれないという声もあります。
スティーブ・ジョブズ氏もこう言っています。
「多くの場合、人は形にして見せてもらうまで、自分は何が欲しいのかわからないものだ」

商品企画の際に心しておきたいのは、ニーズは大切だが、ニーズの中に常にわかりやすい形で答えが転がっているわけではない、ということです。
特にある程度ニーズが充足している市場に新しいものを提案したい場合は、「フック」という考え方を持ってみましょう。広告における「興味を引かせるメッセージ」という意味ですが、商品企画や開発にも応用できます。自分の狙うターゲットや市場の、ふんわりしたニーズを土台として把握した上で、半歩先の「フック」、興味を引かせるメッセージを持つ商品とはなにか?という問いに対してアイディアを出していくのです。堅い言葉で言えば「ニーズ喚起」という手法ですね。

半歩、というのはどういうことでしょう。これは顧客に提案する適切なタイミングや発想の距離感をイメージしています。例えばモテたい男子という顧客層に「この夏最強のモテTシャツ!」を提案することです。今(初夏)の時期に「この冬最強のモテコート!」では、一歩先すぎて関心を持ってもらえませんよね。あまりに斬新な提案よりも、ほどほどの新しさが望まれることが多いのです。
画期的な技術やアイディアがなくても、ニーズの延長上を連想しながら技術シーズを組み合わせることで、半歩先の商品を考えることができる場合もあります。

半歩先の応用として、半歩横という考え方もありそうです。
最近、大学生協が「単位パン」や「巨大メロンパン」を販売して話題になりました。
パンの品揃えは、大学生の食欲というニーズに対しては、すでにある程度充足していたと考えられます。食品としてのパンに軸足を置きながら、半歩横にある「SNSで楽しみたい」というニーズに対して、話題性重視の「コミュニケーションツール」としても使える商品を企画したのですね。
特に現代は、この「話題を共有したい」というニーズがあらゆる分野に影響していますので、注目していきましょう。

半歩先、半歩横のフックという発想は、ニーズやトレンドを元にして連想ゲームのように考えていくことができます。ちょっとした違いが差別化につながることもありますので、ぜひ皆でアイディアを出し合ってみましょう。

コンセプトは「シンプルにわかりやすく」まとめる

コンセプトは「シンプルにわかりやすく」まとめるこれも当たり前のようですが、改めて考えてみましょう。
企画立案の際、つい企画書やコンセプト資料が重厚になってしまう場合があります。社内向けには重要かもしれませんが、実際に販売していく時に伝えるメッセージやキーワードは絞りこまれているでしょうか?
コンセプトを、シンプルにサマリー化(簡略化)する過程は必ず入れていきましょう。

今の時代は、商品企画の時点から販売戦略、特にWebプロモーションを意識すべきです。Webをプラットフォームとしたマーケティング戦略が当たり前の時代になってきているのです。
Webでの情報発信が低予算でも可能であることは、消費者にも知られています。発信手段が限られていた時代は「広告費をかけず商品開発に注力」といった企業姿勢も評価されていましたが、今は「情報発信をしないのは売っていないのと同じ」と見なされてしまうのです。

サマリーとは、要約という意味です。誰に、どんな時、どのように役に立つ、あるいは楽しめる商品なのか。どんな使用体験が味わえるのか。A4サイズ1枚を目安に、シンプルにわかりやすくまとめましょう。
商品企画のサマリーが、その後プレスリリース、Webのランディングページ、さらに営業のセールストーク等にまで一気通貫していくことで、強力なアプローチになります。キーワード設計も明確になりますよね。
「情報」が話題となり、共有・拡散される時代において、言葉はさらに重要な位置を占めています。ターゲットに対して刺さるメッセージ、キーワードを絞り込み、きちんと情報発信することが、大きな差別化のポイントとなるのです。

まとめ

  1. マーケットを顧客の視点で見直そう
  2. ニーズを土台にして、半歩先・半歩横のフックを考えてみよう
  3. コンセプトをサマリー化して、メッセージやキーワードをWebでも活用しよう

説明書がいらないほどシンプルに設計されたiPhoneは全世界のユーザーから高い評価を得ました。
実際ユーザーが求めるものは至極シンプルなもので、それに対して率直に応えられるモノであればこれ以上に良い商品はないのかもしれません。
その時に半歩先の世界、「想像よりちょっと良いモノ」を提案できるか、あるいはちょっと良いものを想像させる“気付き”を与えられるかどうかが、その商品やサービスの本当の価値なのかもしれません。

全体像をシンプルにする事はユーザーへの伝えやすさ(訴求力)もさることながら、チーム全体の意思統一やコミュニケーションのミスマッチを防ぐためにも大切な事です。

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