シニアマーケティングは急がば回れ!市場開拓のヒントとは?

   

シニアマーケティング現在4人に1人が高齢者と言われる少子高齢社会の日本。この巨大な「潜在顧客」層を狙って多くの企業・マーケッターがチャレンジし続けています。高齢化の推移グラフ

http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2014/gaiyou/s1_1.html
出典:内閣府ホームページ 『高齢化の推移(平成26年版高齢社会白書)』

国連の世界保険期間(WHO)の定義では65歳以上の人を高齢者としていますが、最近は「シニアマーケティング」という表現で、もう少し下の世代から“元気なシニア層”をターゲットにしている企業も増えています。
年齢の定義はゆるやかで、50代以降の子育て終了世代、身体状況やお金の使い方に変化が訪れ、今後の人生を見直す機会の多い世代を指しているケースが多いようです。例えば流通大手のイオンでは55歳以上をG.G世代(グランド・ジェネレーション)と位置づけています。一口にシニアマーケティングと言っても、定義はさまざまなんですね。

筆者は以前、シニア層対象の商品開発に関わった経験があります。例えばカラー展開ひとつとっても、シックにすれば年寄りっぽいと言われ、明るめにすれば若々しすぎると言われ…人生の先輩のお好みを把握するのはなかなか大変でした。同じような課題を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

特に、団塊の世代が定年を迎えて、「スマートシニア」と言われる元気な60代が増えたことにより、市場はさらに多様化・拡大しています。「スマートシニア」は、ネットを活用して積極的な行動をとる、目も肥えた新しい世代の高齢者。「俺は新しい世代だ!」と自覚している方に「従来のお年寄り向け」と感じさせる商品提案をしてしまい、失敗してしまったというケースもあるのではないでしょうか。複数の世代がかぶる市場となったことで、好みの違いなどに対応するのがさらに難しくなっています。

しかもこのシニア層以上、タンス預金30兆円?!と言われているように、下の世代と比べて貯蓄額が圧倒的に多く、財布の紐が固い。なかなか消費をしません。 総務省 家計調査グラフ

http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2014/gaiyou/s1_2_2.html
出典:内閣府ホームページ『世帯主の年齢階級別1世帯あたりの貯蓄・負債現在高(総務省 家計調査 平成24年 )』

ある程度の年齢になれば日用の品はたいてい所有していますし、”もしも”の時の備えという意識も高いわけです。購買モチベーションをくすぐるのはなかなか難しいですよね。
好みを捉えるのも難しく、なかなか購買してくれない、そんなシニア層に「消費のきっかけ」を促すにはどうすればよいのでしょうか?

シニア層の心を動かすアプローチとは?

例えば2014年8月下旬、SeeSを使って「敬老の日」をキーワード解析した結果を見てみましょう。
このように記念日名という単一のキーワードで見ますと、ユーザーが「敬老の日」に送る「プレゼント」「ギフト」「贈り物」について調べているという大きな傾向が出てきます。
敬老の日のテキストマイニング調べているのは、(シニア層から見た)子ども世代(30〜40代)がメインではないかと推測されますね。
「配達」〜「指定」「特急」などのキーワードが関連づいて話題となっていますので、WEBならではのスピーディーな配送サービスを期待されている方が多そうです。
では調べるキーワードを少し変えてみましょう。
「おじいちゃん プレゼント」という複合キーワードをあげて解析してみます。

おじいしゃtん+プレゼントで調べてみると

「敬老(の日)」以外にも、「誕生(日)」「退職記念、定年」「金婚(式)」など、さまざまなプレゼントのシーンがあがってきていますね。
「人気―ランキング」「商品→ランキング」が大きな話題となっていますので、どんな品物を送ればよいのかランキングサイトなどで調べている人が多そうです。

SeeSには、WEBサイト上で総合的に話題となっているキーワードを順位づけする機能があります。

孫世代おじいちゃんと対になる「おばあちゃん」が第1位、プレゼントの機会である「誕生(日)」が第2位ですが、第3位には「孫」があがってきました。「孫」というキーワードを使ったサイトが大きなボリュームになっていることがわかります。
検索上位にランキングされているQ&Aサイトからユーザーニーズを見ていきましょう。

おじいちゃんへのプレゼント - アンケート - 教えて!goo
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8630355.html

76歳になるおじいちゃんに誕生日プレゼントをあげたいのですが、何...-sooda
http://sooda.jp/qa/182404

おじいちゃんに何を贈ればいいのか、迷っている孫世代のためのサイトが出てきていますね。

ネットを活用したシニアマーケティングの強力な応援団としてぜひ味方につけたいのが、今回の解析で浮かんできた「子ども・孫世代」なのです。
これが「急がば回れ」の発想です。
真のターゲットであるシニア層にすぐに購入していただくのは難しいかもしれません。でも、むしろ回り道に見えても、子どもや孫世代のニーズに応えてみてはどうでしょうか?シニア層にアプローチするファーストステップとして「子どもや孫からのプレゼントや体験で商品やサービスを認識してもらう」のです。

プロモーションの鍵は「世代交流」!

団塊の世代(昭和22年〜24年生まれ)へのリサーチ結果から「生きがいを感じる時」の調査結果を見ると、「趣味に熱中しているとき」に次ぎ、ほぼ同率で「子どもや孫など家族団らんのとき」が挙げられています。
シニア層は「世代交流」に喜びや生きがいを感じるのです。

高齢者が生きがいを感じる時

http://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h24/kenkyu/gaiyo/
出典:内閣府ホームページ『平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査結果「あなたが生きがいを感じるのは、どのような時ですか。」』

誕生日やクリスマス、退職記念…さまざまな記念日は、「親・子・孫 三世代交流の日」として活用できますよね。
この「世代交流」こそ、多くのシニアの心を動かす原動力。
前述の「スマートシニア」も、孫の前では一気におじいちゃん、イクジイ化します。センスのよい孫に「おじいちゃん、かっこいい!」と見立ててもらった商品なら、自分で選ぶ以上に愛用してくれるでしょう。いずれ類似の商品ラインを買い足す時、シニア自身が得意のネット検索でECサイトに買いにきてくれるかもしれません。
好みが難しいシニア層のニーズを細分化して追うより、「子ども・孫が選ぶもの」「子ども・孫が選びやすいもの」を提案することで、課題が簡単にクリアできてしまう場合があるのです。

モノではなく会食や旅行などでも、三世代一緒に楽しく過ごす体験は、記憶に残ります。最初は子供家族からのプレゼントだったとしても、その後のお返し/リピート行動(「今度はおじいちゃんのおごりだよ!」)として、消費が連鎖していけばよいのです。
世代交流の促進からはじまるシニア市場の開拓は、さまざまな業種で応用できそうですね!

SeeSでわかった2つの提案ポイントとは?

では実際に、どんな商品・サービスを提案していけばよいのでしょうか?
これはもちろん業種、商品、イベント内容などによって異なるため一概には言えませんが、参考までに「敬老の日 プレゼント」でキーワード解析した中で、一般的に応用できそうな2つのポイントをご紹介します。

1.写真にまつわる提案senior8
テキストマイニング機能で出ている話題の中で、「フォト」に関連する話題が大きく出ています。世代交流の思い出作りに、写真は最適なアイテムとして注目されているのですね。シニアは写真撮影を趣味にしている方も多そうです。
フォトフレーム、アルバムなど写真関連商品自体はもちろんですが、「孫と一緒に手作りフォトフレーム」「お食事の時に三世代写真をプレゼント」「子どもや孫との撮影会」など、イベントやサービスのアイディアとして使えそうですね。

2.「日本製」のアピール
Web上のサイトの中で扱っているキーワード数の順位表を見てみると8位に「日本」が上がってきています。
元々のサイトにあたってみたところ、「日本最大級」と言った説明の文脈でも使われているのですが、もう一つ使われ方で目立ったのが「日本製」なんですね。

プレゼントの需要をキーワード解析

共起語のリストでも「日本」が上がってきています。
品質の良いものをプレゼントしたい子ども・孫世代にとっても、実際に使うシニア層にとっても、共通して納得できるブランドが「日本」になっているのです。日本製であることがひとつの信頼できる目安なのですね。海外生産が主流となった現代だからこそ、日本製の良さが見直されているといえそうですね。
(もし国産品を扱っているのに日本製をアピールしていない企業があれば、せっかくのチャンスを逸しているということになります。)

共起語で見てみると

SeeSでは、さらに狙いに合わせた最適なキーワードを解析していくことで、ユーザーのニーズを調査していくことができますよ。

まとめ 「急がば回れ」作戦でシニア市場を開拓!

  1. シニア市場は大きなボリュームゾーンとなってきたが、好みの多様化など課題も多い
  2. プロモーションの鍵は「下から上に」何を贈るかより誰が贈るか
  3. 2つの提案ポイント:「写真」関連と「日本製」

シニアの「難しい好み」という壁も、子ども・孫世代の目線を巻き込むことで、新しい解決の道が見えてきます。
子ども・孫世代が「自分のおじいちゃんに使ってほしい」と思えるような商品やサービス、見せ方の開発、あるいは三世代が共有・共感し、揃って満足できる商品やサービスの提案が鍵となりますね。
ビッグデータ解析で大きな気づきを得てみませんか。SeeSは、さまざまな企業のマーケティングをお手伝いします。

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