話題のキーワード調査事例から、ネット社会の問題を考えてみた

   

ネット社会問題

前回、2016流行語の筆頭候補?!「センテンススプリング」を緊急調査!という記事では、まったく新しい言葉が出現して注目される状況と話題の特徴についてご紹介しました。
今回は、同じ調査データを読み解いた上で、ネット社会の問題について考えてみたいと思います。
マーケティング関係の方はもちろん、風評リスクソーシャルリスクなど、企業のリスクマネジメントに関わる方にもおすすめの内容です。

「センテンススプリング」に対する人々のイメージや感覚とは?

SeeSは、人々があるキーワード、例えば企業名やブランド名についてどのようなイメージ感覚を持っているのかを把握する機能を持っています。
調査キーワードと共に使われる感覚的な言葉(口語に近い形容動詞等)だけを抽出して、使用Webサイトの多い順に20位までランキングする機能です。

今回は「センテンススプリング」について世間の感覚を見てみましょう。誕生してわずか1週間のキーワードでも調査ができます。
センテンススプリング 感覚キーワードグラフ

1位 「新た」

新たな名言(迷言)新たな流行語などと紐付いて使われています。前回ご紹介したように、2016年の流行語としての注目、期待が高い点が現れています。

2位 「オフィシャル」

これはセンテンススプリングと同様、ベッキーさんのLINEでの発言とされるキーワードです。

3位 「完全」

ベッキー完全終了完全な売名行為完全に裏切った完全に調子に乗っているなど、さまざまな文脈で使われています。騒動の衝撃やダメージの大きさ、渦中の二人のパブリックイメージが変わってしまった状況などを端的に表す言葉ですね。

「面白い」…けれど「恐ろしい」センテンススプリング

集計すると2位 「面白い」系

20位までさまざまな感覚キーワードが出現しているのですが、ここで複数出現している「面白い」系に注目してみましょう。

7位「面白い」・9位「おもしろ」・14位「面白」と表現が分散されてしまったのですが、3つのワードの出現サイト数を合計してみると、実は「面白い」系が2位に浮上しました。

この「面白い」系の関連キーワードには、パロディTシャツコラ画像といった言葉があがってきます。
言葉そのものの面白さに加え、Tシャツが速攻で製作されていることを面白がったり、もう週刊文春と関係なくても盛り上がっていく…よく言われる「悪ノリ」「祭り」「炎上」状態の裏付けが読み取れます。

気になる12位 「恐ろしい」

一方、気になるのが12位の「恐ろしい」というキーワードです。
恐ろしいの関連キーワードの中にはネット社会世の中情報流出など、他の感覚ワードとはちょっと違う視点からの言葉が出現しました。

感覚キーワード 恐ろしい

LINEの情報が外部に流出する、個人のやりとりがメディアで晒される、ネットで祭りになる、…情報セキュリティ、ネットにおける話題の過熱など、さまざまなネット社会への問題意識が「恐ろしい」という言葉に表れているようです。
今回のキーワードは数あるニューストレンドのひとつの事例ともいえる言葉ですが、みんながみんな浮かれて面白がっているだけでなく、カウンター的な感覚も浮上している点は見逃せませんね。

調査ではボリュームの大小だけでなく、小さな兆しを読み取ることも重要です。例えば何かの事件でSNSで炎上してしまった企業が状況を変えていくための方向づけやキーワードは、SeeSのような定性調査からシグナルを探し出すと効果的な場合があります。

ネット社会の問題を情報拡散の特徴から考えてみよう

情報拡散を加速する、ネット社会特有の3つの機能

ネットのない時代でも、好奇心を煽る事件や芸能ニュースは人の噂になるものでしたが、インターネットやSNSが普及した結果、情報伝達のスピードはどんどん速くなりました。
拡散の加速を助長している特徴的な機能を考えてみましょう。

  • リンク/シェア 話題の内容・事実をスピーディに確認する・拡散する
  • 検索/ハッシュタグ キーワードを活用し、効率よく話題を把握する
  • ランキング 「いま流行っている話題」を追いかける

このような機能・仕組みの上に、

  • キーワード  キャッチーな一言(検索キーワードやハッシュタグに使いやすい)
  • キービジュアル 画像や動画 (近年、重要度がアップ)

この2要素がうまく組み合わさると、情報は一気に広がります。

コア情報+周辺情報で、話題は膨れ上がる

さらにネット社会では、コア情報だけが伝わるのではありません。

  • 追加・周辺情報:別視点情報、噂など
  • 検証:目撃談、事実関係やデータの検証など
  • 総括:まとめ
  • 評価:考察、感想、批判、会話による意見交換など
  • 二次加工:画像コラージュ、小ネタ、イラストなど

書き出してみたら本当にリポーターか記者、さらに刑事や研究者のような活動をみんなでしてるんですよね…。前回の記事で梨本さんのリポーター魂の息吹に触れましたが、ネット社会は一億総リポーター状態ともいえます。
こういった情報がどんどん追加されて雪だるま式に話題が膨れ上がるのもいまの社会の特徴です。

このネット社会特有の現象は、情報が疑わしい時に事実の検証で情報を是正するといったプラス効果もありますが、悪ノリが過ぎれば祭り、炎上となり、時には関係ない人まで巻き込みます(例えばキーワードと同じ名称の企業があった場合、関係ないのにネット上の批判に巻き込まれたりします)。
問題が起きた場合、解決のヒントがどこにあるのか、話題を紐解き要素をばらして考えないと、対応を間違える場合もあります。

逆に言えば、このようなネット社会の特性・機能を知り、活用していくのが現代のマーケティング戦略のひとつでもありますし、ソーシャルリスク・風評リスクに対応するリスクマネジメントのコツでもあります。

どんな戦略・対策を立てるにしろ、まずは迅速な状況把握が重要です。
世間のイメージ・感覚を客観的にとらえる指標としてSeeSのような調査データを活用すると、状況把握だけでなく具体的な対策アイディアを検討することができます。

まとめ

  1. 「センテンススプリング」は「新た」な言葉として「面白い」と思われた
  2. ネット社会の「恐ろしさ」も感覚として出現した
  3. ネット社会特有の機能・仕組みと、みんなのリポーター魂が情報を拡散・膨大にしていく

今回は、一躍話題になったキーワードを事例として世間の感覚を分析した上で、ネット社会の特徴を紐解いてみました。

ネット社会特有の情報拡散機能のうち、3つめのランキングの影響は特に興味深いですね。
人には、話題そのものへの関心以上に、今何が話題なの?流行なの?ということを追い求める心理があるようです。
このような群集心理を理解する時役に立つ、2つのキーワードがあります。
ネットで祭り…の裏にある心理、「バンドワゴン効果」と「同調圧力」については、近々記事アップしますのでお楽しみに!

※この記事の続きはネット社会の集団心理 1:「バンドワゴン効果」とは?ネット社会の集団心理 2:「同調圧力」とは?でお読みいただけます。

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