流行語にノミネートされた「爆買い」の話題を探る!

   

爆買いアイキャッチ

SeeS編集部のオフィスは銀座にあるので、海外からの観光客の方々が本当に多いなあ…といつも実感しています。
近年の外国人旅行者の特徴的な行動は「爆買い」と言われ、2015年のユーキャン新語・流行語大賞にもノミネートされました。
2015年の訪日外国人客消費は3兆円規模になると予測されており、その消費行動は今や様々な業界においても見逃せない話題となっています。
そこで今回は「爆買い」についてWebではどんなことが話題になっているのか調べてみました。全体的な傾向と、キーワードとしてどう考えるかを紐解いています。

新語「爆買い」が注目された2015年

まず「爆買い」をGoogleトレンドで調べてみました。

爆買いGoogleトレンド
「爆調べ」とでも呼べそうな2015年の検索ボリュームの急上昇ぶりに注目です。まさに今年の新語・流行語ですね。
「爆買い」という表現自体は2008~9年頃から出現していたようですが、当時はまったく検索ボリュームがありません。
2013年、観光庁から「外国人旅行者向け消費税免税制度の改正」が発表された頃、初めて検索される機会が出てきました。そして、旅行者の増加、免税店の増加、円安などのプラス要因が重なった2015年2月の春節(中華圏の旧正月)から「爆買い」が大手メディアにたびたび取り上げられ、検索量も一気に増加したという流れが読み取れます。

Web市場全体を俯瞰してテーマを見る!SeeSの新機能

マーケティングのいまがわかるSeeSで、「爆買い」について定性的に調べていきましょう。
Web上のビッグデータを活用して、キーワードに関わるデータを調査分析するSeeSですが、ここで来週リリースが予定されている新機能のひとつをご紹介します。

「爆買い」についてWebでは主にどんなテーマのボリュームが多いと思われますか?
「爆買い」というキーワードで収集したWebデータについて、SeeSのアルゴリズムを用い、フリー百科事典「Wikipedia」のカテゴリを利用した分類(カテゴライズ)を行います。

【Wikipediaカテゴリに基く分類グラフ】

爆買い Wikipedia分類

円の大きさは、テーマに関わるデータ量を表しています。
「流行語」分野が一番大きなテーマですね。「旅行」といった具体的な事業テーマより、「メディア問題」「流通」「マーケティング」「経済現象」といった、ビジネストレンド寄りのテーマが多いという傾向が出ています。
ドメイン別分類でもニュースサイトがほぼ50%を占めていますので、爆買いをひとつの流行や現象として大きく捉えたニュースなどのメディア情報が多い現状が把握できます。

この「主要テーマの分類」は、あるキーワードやブランド(商品名、企業名、人名等)において、世間一般に捉えられているテーマ性を俯瞰してチェックできる分析手法です。
自社や特定の業界内で「うちの商品はこんな感じだろう…」と思い込んでいたら、世の中では予想外のテーマで語られているケースもあります。市場を俯瞰する視点を持つことはとても大切ですね。

「爆買い」現象、どう捉える?

外からの視点が気になる日本人

次に「爆買い」について、テキストマイニング(*1)で抽出した主なトピックを見て行きましょう。

*1 SeeSテキストマイニング
SeeSでは特定のキーワードで検索した際に表示される全てのWebページの文章情報から、関連度の高さに応じて相関図を表示します。 これにより膨大な文章情報(ビッグデータ)から概要を把握する事や、マーケティングに必要なデータの抽出にご活用いただけます。

さまざまなトピックが出現していますので、業界や、「爆買い」についてどんな課題を持っているのか?によって、読み解きポイントが変わってきます。
今回は、全般的に言える点としていくつかトピックをご紹介します。

【「インバウンド」に関わるトピック】爆買い話題 インバウンド

インバウンド」は、マーケティングでもよく使われるキーワードですが、旅行業界においては外から入ってくる=訪日外国人旅行のことです。「インバウンド」と「爆買い」は非常に密接なキーワードと言えますね。「インバウンド」も新語・流行語大賞にノミネートされていますので、今後はこの旅行業界での使われ方のほうがメジャーになりそうです。
インバウンド消費動向について詳細な情報発信をしているブログの存在も発見できました。

ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌
http://inbound.exblog.jp/

【「動向」に関わるトピック】爆買い話題 動向

「何が買われるのか」ということより、「動向→調査/変化/注目」と、この「爆買い」動向は今後どうなるのか?という、トレンドを読む視点が話題として出現しています。
(SeeSでも「爆買い 動向」という複合キーワードで調査すれば、より動向にフォーカスした市場の話題が読み取れますよ!)
爆買いの定番商品と言われる「四宝」など商品そのものに寄ったトピックはあまり出現していませんでした。
「爆」イメージの元となる「大量」に関わるトピックは大きく出現していますが、そこには「買い物」だけでなく「放置」なども紐付いています。商品を大量に爆買いされて売上アップの一方、パッケージをゴミとして大量放置されるといった新たな問題も出現している様子が見られます。

【「海外の反応」「まとめ」周辺のトピック】爆買い話題 まとめ海外

「爆買い」について、海外からどう見られているのか、あるいは当事者である中国の人はどう思っているのかを知りたいといった話題が出現しています。
これは面白い傾向ですね。こういう「外からの視点」を知りたがるのは日本人の特性のような気がします。

他にもいろいろトピックはあるのですが、全体をざっくり言うと、日本人は、急浮上した「爆買い」現象をどう捉えればいいのか、今後どうなるのか模索しているといった感じでしょうか。

「爆買い」はモノに対してだけじゃない?!

爆買いインバウンド

爆買いの主体としては「中国」「中国人」が圧倒的な強さでどの切り口のデータにも出現しています。

具体的に買われるモノに関しては、キーワード出現順位など全体データを見た中で、注目のキーワードを上げてみます。

爆買い 商品例

  • お米」…炊飯器に続いて日本のお米を爆買い!
  • アニメーター」…日本人アニメーターが中国の製作会社に爆買いされている
  • 粉ミルク」…豪州の粉ミルクが中国人に爆買いされて品薄状態に

他には「紙おむつ」や「温水洗浄便座」、また爆買いの合間に行く「人間ドック」などもキーワードとして出現していました。
注目のキーワードの中では、アニメーターの労働力も「爆買い」と称されるのが興味深いです。
個人のショッピングという視点だけではなく、もっと大きな視点で消費・雇用意欲すべてひっくるめた中国の経済的勢力として「爆買い」という表現が使われているんですね。

感覚的なキーワードの出現上位では 1位:多い 2位:高い 3位:多く と来て、4位:旺盛 です。

爆買い 感覚キーワード

旺盛」という表現が、現在の爆買い勢力の典型的なイメージキーワードだと言えそうです。

ちなみに、爆買いの代表的な「場」としては、ラオックスが共起関係の強いキーワードリスト上位に出現してきました。

爆買い ラオックス

他に具体的な企業名や店舗名は上がっていないので、今のところ一般的に爆買いに関してはラオックスさんという強い印象がついています。

キーワード「爆買い」に関わるちょっとグレーな要素

さて「爆買い」は検索ボリューム急上昇ワードなので、ECサイト運営の方などはキーワード設計という視点からも興味を持たれるかと思いますが、ここでECサイトにこの流行語を使うには注意も必要というポイントをお伝えしておきます。

「爆買い」で出現順位の高い「日本」「商品」等の関連キーワードの中に、具体的な海外ブランドの名前が上がっています。実態を調べると、「爆買い」というキーワードを仕込んでいるサイトが複数あり、いわゆる正規輸入ルートではないグレーゾーンのECサイトもあるようです。
ECサイトなど、ニュース以外のサイトでは、現状「爆買い」は使用に気をつけた方がいいキーワードと言えるかもしれません。

キーワードは人気稼業のタレントさんと同じようなところがあります。検索回数が上がる=人気が出るということは、いろいろな思惑を持った人が寄ってくるわけです。
検索回数という量的な視点でキーワードマーケティングに取り組んでおられる方も多いかと思いますが、言葉は生きモノですから、イメージも刻々と変化していきます。
キーワードにどのような価値観やテイスト、連想される話題が取り巻いているのか、単純な検索回数だけでなくキーワードの性質を知ることもマーケティング的に重要な時代ですね。

まとめ

    1. 「爆買い」は2015年の急上昇キーワード
    2. メディアの注目が先行し、現象としてどう捉えればいいのか模索されている
    3. 「爆買い」は経済的勢力という大きな視点でも使われている
    4. キーワードとしての使い方にはちょっと注意が必要

話題の「爆買い」について調べてみました。
新しい言葉だけあって使い方の拡がりも出てきていますし、訪日外国人客の消費行動自体に変化があればまた言い方が変わってくるかもしれません。ビジネスチャンスなのか、大きな課題なのか、業界によっても捉え方が違う話題です。今後もインバウンド消費関連の話題には注目していきたいものです。

他にもこんな記事が読まれています

 - キーワード設計, トレンドウォッチ, マーケティング , ,